コラム

アスパラガスは1.5メートル

春から夏が旬のアスパラガス。
実は約1.5メートルの大きさにまで育ちます。
「え、20センチではないの?」 そうなんです。私たちが店先で見かけるものはアスパラの若芽(新芽)で、茎葉ではありません。茎葉は、人の背丈ほどにも成長します。

アスパラは種をまいてから収穫できるまで約3年。
1年目
種から発芽したばかりの芽は細すぎるので、そのまま育てる。
伸びた茎葉は約1.5メートルにまで成長。晩秋、枯れた頃に刈り取る。
2年目
春、株根を充実させるため肥沃な土地に植え替え、成長した茎葉は晩秋に刈り取る。
3年目
春に出てきた若芽がようやく食用となる。

食べられるようになるまで長い時間がかかる野菜ですが、強みもあります。多くの野菜は連作障害*を避けるため、同じ場所に何年も続けて栽培することはできません。しかしアスパラは約10年間、同じ場所に植えたまま毎年収穫が期待できる、実にたのもしい野菜なのです。

学びも似ているのではないでしょうか。外国語や資格など、身につくまでに時間がかかる知識やスキルは、その後長く役立っていきます。コツコツ地道な取り組みは、いつか実を結んでいきますよね。

*連作障害……同じ土地に続けて同じ作物を栽培すると、病気になりやすくなったり、収量が減るなど、生育に障害がおこること。

健康な食生活を応援

当財団発行の生涯学習情報誌では、忘れがちな「旬」の素材をテーマに、その効能やレシピを紹介するシリーズ『旬を味わう』を連載(2014年〜15年)しました。アスパラの特集は2015年5月号に掲載。わさびが隠し味となっているアスパラのピザと生ハム巻き、2つのレシピを紹介しています。


『旬を味わう』シリーズを執筆いただいた(一社)FLAネットワークでは、健康な食生活を送るための「食生活アドバイザー」資格を提供しています。「上手な買い物の仕方」や「食文化とマナー」に加えて「食に関するマーケット」のことまでわかると人気です。「野菜スペシャリスト」講座もあるので、興味をもたれたらぜひ、ご覧になってみてください。
参考文献
地層科学研究所「やわらかサイエンス」

日本大百科全書
「はじめての野菜づくり」 藤田智著 日本文芸社 2009年
「有機野菜の育て方100選」 高堂敏治著 滋慶出版 2016年