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八.尺八 Shakuhachi 八.尺八 Shakuhachi

音色も奏法もバリエーション豊か音色も奏法もバリエーション豊か

尺八といえば時代劇で虚無僧が吹くシーンを思い浮かべてしまうが、現在はジャズや即興音楽にまで用いられ、活躍の場は限りない。石垣征山さんにその注目点を伺いました。

リコーダーなどと違い音を出すのが難しい尺八だが、熟練すれば表現力豊かな演奏ができる。

尺八は木管楽器の一種でリードのないエアリード楽器に分類される。名称は管長が一尺八寸(約54.5㎝)であることに由来する。真竹を使用し、現在は中間部でつなぎ合わせるものが主流だ。一般的な尺八は5穴(表4穴、裏1穴)で、指穴の開閉だけで出せる基本音階は、レ/ファ/ソ/ラ/ドの5音。他の音は穴を半開にしたり、息を吹き込む角度を変化させて出す。かつては宗教楽器だったが、現在、ジャズや即興音楽などにも活用されている。

中国の唐代が起源とされ、日本には雅楽器として700年前後に伝来した。東大寺の正倉院には6穴3節の尺八が収められている。鎌倉時代から江戸時代初期までは、一節切(ひとよぎり)と呼ばれる短い尺八が使われ、武士の嗜みとして武家社会で流行した。北条幻庵はその名手だった。

江戸時代の中期には、禅の一派、普化(ふけ)宗修行の一環として、虚無僧が天蓋という編み笠をかぶって全国を歩いて尺八を吹いた。普化尺八と呼ばれ、現在の尺八の祖形となった。明治時代初頭に普化宗は廃止され、純粋に楽器として三味線や箏との合奏が盛んになった。

虚無僧が吹いたのは「古典本曲」と呼ばれ、はっきりとした拍子はない。他の楽器と合奏する一般的な楽曲は「外曲」と呼ばれる。尺八の流派は、江戸期に始まった古典本曲と外曲を演奏する「琴古流」と、明治時代に中尾都山が起こした都山(とざん)流が主流。

奏者に聴いたその魅力

石垣征山 Ishigaki Seizan

東京都豊島区出身。東京藝術大学音楽学部邦楽科に入学後、人間国宝・山本邦山に師事。都山流尺八楽会師範試験を首席登第、父、征山の名を襲名。2006年に尾上秀樹と『HIDE×HIDE』を結成。2010年、長谷検校記念第16回くまもと全国邦楽コンクールにて最優秀賞、文部科学大臣奨励賞を受賞。2013年都山流尺八楽会主催、本曲コンクールにて金賞、文部科学大臣賞、産経新聞社杯を受賞。

父が尺八、母が箏の演奏家という家庭環境に生まれたため、特別なものとしての認識より「そこにあって当たり前」な感覚でした。ですから惹かれた、というよりも最初から自分自身に結びついていたものだと思います。今は自分が思うままに歌い上げられることに心を奪われています。

尺八を聞くときの注目ポイントは?

意外にも「これをすべて同じ楽器で演奏しているのか」と思われるくらい、尺八には音色や奏法にバリエーションがあるのです。それを感じて楽しんでいただけるよう、変化に富んだ演奏を心がけております。時には主になり、時にはメロディーを支え、時には飛び跳ね、いろんなことをしてますので、メロディーを吹いているとき以外も「どこに意識をもって演奏しているのか」と想像しながら聴いていただけるとより楽しんでいただけると思います。

演奏に関しては、いわゆる超絶技巧的な早い指の動きのようなものよりも、「その曲に必要な奏法」+「ほんの少しのエゴ」を織り交ぜた唯一無二の音を出すことの方に心を砕いてます。

演奏する場所が国内か国外でお客さんの反応も違ってきます。日本のお客さんは遠慮がちで控えめな反応をする方が多い印象ですが、海外のお客さんはストレートな反応をする方が多いなと感じます。その会場の雰囲気に合った演奏ができるよう、心がけてやっています。

尺八の魅力は「十人十色」であり、「変幻自在」な演奏ができること。いろんな音色の尺八を、たくさん聴きくらべてみてほしいです。

音を聴いてみよう!

シリーズでご紹介している和楽器の音色を聴くことができます。
第八回は「尺八」の演奏をお楽しみください。

監修者:AUNプロフィール
井上公平・井上良平。1969年大阪にて5人兄弟の末の双子として生まれる。1988年、和太鼓集団・鬼太鼓座(おんでござ)に出会い、高校卒業と同時に入座。2000年に「AUN」として独立。2009年、邦楽界で活躍する若手を集めて「AUN Jクラシック・オーケストラ」を結成。公演回数は国内外で1400回以上。子どもたちに日本文化の魅力を伝えるため、全国の小学校を訪問し、和楽器演奏と桜を植える活動もしている。

AUNの最新情報、ライブのご案内などは公式サイトをご覧ください。
http://www.aunj.jp

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