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六.チャッパ Chappa 六.チャッパ Chappa

自由な表現で曲に変化を生み出す自由な表現で曲に変化を生み出す

2枚一組で両手に持ち、打ち合わせて演奏する、小さなシンバルのようなチャッパ。独自の奏法を開拓してきたHIDEさんが、その面白さを語ってくれました。

シンバルのことを漢字では鈸(はち・ばつ)と書く。仏教儀式で用いられ、銅鑼(どら)と組み合わせて使われることや銅製であるため銅鈸(どうばつ)の呼び名もある。小型のものは民族芸能でも使われ、「チャッパ」と呼ぶ。他にも、手平がね、手拍子、 銅拍子など、様々な名で呼ばれてきた。

チャッパは洋楽のシンバルよりは小さく、飾り紐が付けられているのが特徴。2枚の円盤をシンバルのように打ち合わせると華やかな金属音を放つが、すり合わせて風の音を表現したり、余韻の中でビリビリと震わせたり、わざと反響を押さえた鈍い音を効果的に使ったりもする。

伝統芸能では、太鼓などと一緒に、賑やかにすり打つことにより、華やかな効果を生む。脇役に見えるが、奏者が演奏や曲調を把握して表現する必要があり、重要な存在といえる。 歌舞伎の下座(げざ)音楽の中でも活躍する。下座音楽とは歌舞伎の演出において、基本的に舞台下手の黒御簾(くろみす)の中で演奏される効果音楽のこと。陰囃子、黒御簾音楽とも呼ばれる。

鳴り物はチャッパの他に、本釣鐘、音程よりもジャーンという余韻に特徴がある円盤状の金属を打つ銅鑼、祭囃子で使われる真鍮製のすり鉦(かね)、歌舞伎の効果音として、寺や殺人場面にはつきものの音を出す松虫等の楽器から、樽、みくじ箱、ビービー笛等の雑楽器まで十数種類が助奏に使われる。

奏者に聴いたその魅力

HIDE hide

江戸っ子気質を活かした、唄って・踊れて・打てる現代の鳴物師。1987年、佐渡島を拠点とする和太鼓グループ「鼓童」に参加し、17年間活動。2004年に「鼓童」から独立し、「鳴物師 秀-HIDE-」としてソロ活動を開始。現在、日本で唯一のチャッパソリストとしてライブ活動やワークショップ講師として注目を集めている。鼓童時代、日本ゴールドディスク大賞(邦楽部門)日本レコード大賞特別賞を受賞。

佐渡の鼓童というグループに踊り手として入ったのですが、踊る機会が少なくて太鼓もやっていたんです。そうした中でチャッパに出会い、独自に奏法を開拓しているうちに、周りから評価されるようになりました。今でこそ太鼓のグループでよく使われている楽器ですが、当時は私のほかにチャッパを演奏する人間はいませんでした。

チャッパが専門という感覚はなく、和太鼓もやるし、音の出るものならば椅子でも叩きます。自分では鳴物師と呼んでいますが、わかりやすく言うとパーカッションですね。自分で楽器も開発します。高価な太鼓から、100円ショップの風鈴やフライパンまで、自分が面白そうだな、やりたいなと思ったら何でも鳴らします。

チャッパや鳴り物の魅力は?

もともと歌舞伎の下座とか見えない所で、効果音などを表現していたのを、私が表に出してやり始めたんです。日本は、空間美や自然美といった、四季の表情が世界一豊かな国です。その自然描写を楽器で表現しています。他の楽器が鳴っている中に、鳴り物を一つ入れるだけで、雰囲気がガラッと変わります。いつも、どこで入れたら面白いか、どう入れたらよいかを考えています。見て聴いて楽しんでほしいです。

チャッパは、箏や三味線のように伝統や系譜がはっきり残っておらず、何十種類もの音が出せるけど、お手本がない。手探りで音を創っています。奏者としては、何をやっても良い、自由度が高いところも魅力です。

チャッパの他にも様々な鳴り物がある。右手に見えるのは、「鈴なり」という言葉の語源ともなった神楽鈴。能「翁」の三番叟などにも用いられる。

音を聴いてみよう!

シリーズでご紹介している和楽器の音色を聴くことができます。
第六回は「チャッパ」の演奏をお楽しみください。

監修者:AUNプロフィール
井上公平・井上良平。1969年大阪にて5人兄弟の末の双子として生まれる。1988年、和太鼓集団・鬼太鼓座(おんでござ)に出会い、高校卒業と同時に入座。2000年に「AUN」として独立。2009年、邦楽界で活躍する若手を集めて「AUN Jクラシック・オーケストラ」を結成。公演回数は国内外で1400回以上。子どもたちに日本文化の魅力を伝えるため、全国の小学校を訪問し、和楽器演奏と桜を植える活動もしている。

AUNの最新情報、ライブのご案内などは公式サイトをご覧ください。
http://www.aunj.jp

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